香席の流れ
(暮らしの絵本、特別号より抜粋)
香を聞く集まりである香席のメンバーは香席の中心となる香元、執筆(記録を書く人)それぞれ1名と、
その日のお客様によって構成されます。
席入りに伴い、お床やお道具も拝見する場合があります。
香道具一式を入れる深さ約7センチの箱様の盆(乱箱)。道具の美しさも。香道のすばらしさのひとつです。
香席で客の回答を記録する執筆が使う道具。執筆の書の美しさも鑑賞の楽しみです。
1.香元が始まりの挨拶もして、一同礼をします。ここから香席が始まります。
2香元は乱箱(香道具一式を入れる箱)から道具を所定の位置へと移動します
3香元は重香合から銀葉(香木を間接的加熱するための道具)を銀葉挟ではさんで取り出します。
4.本香盤(銀葉をのせる台)の上に銀はを置きます。
5.香元は手記録(名前と答えをかくための紙)をお客様に渡します。
6.聞香炉(香を聞くための香炉)の上に銀葉をのせます。
7.香包(香木を包む竹紙または和紙)から香木を取り出します。
8.香包から取り出した香木を、聞香炉の銀葉の上にのせます。
9.鶯(畳へさす細い銀の針状)に香包をさします。
香包には答えが記されています。
10.香元が香りを聞いて、お客様一同に香炉を回します。
11.お客様が順に香りを聞きます。左手の手のひらで香炉を受け、右手で軽くおおいます。右手の指とひとさし指の間から、香りを聞きます。
12.お客様はそれぞれの答えを手記録に記します。そして、香元からだされた手記録盆に手記録紙をのせていきます。
13.執筆はお客様の答えを奉書に書き写します。
(後ほど、香元が読みあげる答えをもとに採点をします。)
14記録紙(奉書)はその日の最高点者に(同点の場合は上客)に差し上げます。
監修 長濱 閑雪
あえて、香道における専門用語を用いず、一般のかたやはじめての方にもご理解していただけるように、説明をさせていただきました。
気品を尊びながらも、堅苦しく構えすぎず、サロン的な雰囲気の中で優雅な時を感じつつ、お香を楽しんで頂きたいと思っております。