香道具・香木

香道具

(棚飾り)
上、乱れ箱
下、硯、奉書

組み付け

香炉の中には火のついた炭団が埋めてあり、灰で円錐状に覆われています。その上に銀葉という、雲母の板をかけ、煙を立てないように、火加減を調節して香を焚きます。
香を焚きだすために使われる香道具の美しさも聞香のための一つの楽しみです。

硯は香元より執筆に渡され、文台の上に置かれます。

香木

香木は東南アジアの島々で採取される、数千年前の埋もれた木です。生産されるものではなく、天然のものなので、限りある貴重なものなのです。科学的にも香木の正体は一部しか明らかになっておらず、熱帯樹林も樹木に何らかの菌が付着して、樹脂化したものだろうといわれています。
いわゆる、香木は地球からの贈り物なのです。

六国五味

香木は室町時代に志野流の祖である志野宗信が中心となって分類を完成したようです。産地の地名で
六国(りっこく)に分け、香りを五つの味に置き換えて分類しています。これを六国五味(りっこくごみ)と言います。現在においては、五味に関しては、志野流と御家流とでは異なっています。
香道では一つの香木をとって、それがどの味を持ち、さらに六国のどれに属するかを聞き分けるのも
楽しみの一つです。そしてその香木に由来する名前をつけてこれを珍重したのでした。

伽羅
(キャラ)
インド

インド羅国(タイ)
タイ

真南蛮
(マナバン)
マナバール

真那賀
(マナカ)
マラッカ

佐曾羅
(サソラ)
サソリー島

寸聞多羅
(スモタラ)
スマトラ

三條家伝来、霊元天皇御勅命香 山路の菊
(天皇が銘を付けられた香木を勅命香といいます。)

君が代に匂う山路の白菊に 幾度露のぬれてほすらん。
君が代に匂うとの意に依りて名ずけられる。

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